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ザ・デス・レイ について

住宅地で犬の散歩をする初老の男アンディ。
これといって特長の無い男だ。
だが彼はバツ2という過去の他に、人に言えない秘密を持っていた。
アンディは我々に語り出す。
さえない高校生だった頃の自分におとずれた「ある変化」を!
超人的な力を手にし、ヒーローのコスに身を包んで悪を退治しようとしたあの頃のことを!
死を呼ぶ光線銃『ザ・デス・レイ』のことを!
スーパーマンにもスパイダーマンにもバットマンにもなれなかった町内のダークヒーロー、そしてオルタナコミックの歴史に残る偉大なる不発弾・・・その名はアンディ!!

祖父と二人で暮らす内気な高校生のアンディはある日悪友のルイにすすめられてタバコを吸ってみたところ、強烈な吐き気に襲われた。
その夜、体内から制御不可能な爆発的パワーがわいてくるのを感じたアンディはじっとしていられなくなる。どうやらタバコを吸うことで超人的な能力を持った存在に変身できるようなのだ。
この力を使って世のため人のために役立ちたい。
殊勝な考えのもと、世の中の悪党を退治しようとするのだがせいぜいは学校のいじめっ子を殴ったり町内の風紀を乱す輩(やから)を中途半端に懲らしめたりする程度。
どんな力を手にしたって、世界を変えることなどできやしないのだ・・・!!
強烈な無常感と孤独、断絶感をイヤになるくらいポップな絵とレイアウト、哲学的なモノローグで綴り、なんともいえない深み/苦みに溢れたダニエル・クロウズの最高傑作が遂に日本語版でリリース!!

「タバコを吸うと超人になる」という設定は「8マン」(原作・平井和正、漫画・桑田次郎)のタバコ型冷却剤を思わせるものがあり、いかにも「昔のSF」といった感じがして、この物語に古めかしい味わいを添えている。また、時代は70年代後半のようで、パンクに開眼した同級生のルイがジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズのアルバム「L.A.M.F.」を手にしている場面など、思わずニヤリとしてしまう、ダニエル・クロウズならではのディティールも楽しい。

ちなみに、映画「宇宙人ポール」(2011年、グレッグ・モットーラ監督作品)の劇中ではサイモン・ペッグ演じるSFオタクの漫画家が本作の表紙絵をプリントしたTシャツを着て、アメリカのSF聖地巡礼をしているが、本作の日本版発売を記念してそのTシャツのレプリカも限定販売。

 

– 森本ヨシアキ aka キングジョー

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