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ジム・フローラ(Jim Flora)

1914年米国オハイオ生まれ。(〜1998年)
美術家

ジム・フローラは米国の作家で、そのワイルドかつ洗練された独特のスタイルは唯一無二であり、多くの著名なアーティスト達が師と仰ぐ存在である。彼の作品の中では、1940年代から50年代にかけてコロンビア・レコードやRCA VICTORからリリースされたジャズやクラシックのレコード・ジャケットが最もよく知られている。その中でも、ルイ・アームストロング、ベニー・グッドマン、デューク・エリングトン、カウント・ベイシーをはじめとするジャズ界の巨匠達とのコラボレーションは有名で、ジャズファンなら一度は必ず目にした事がある作品ばかりである。
彼の作品ではチャーミングで活き活きとした人物や愛嬌のある動物が古代のルーン文字のように互いに絡み合い、キャンバスの上で踊っているように見える。まるで不思議なリズムを刻む即興演奏のような作風だ。そして、フローラ自身はコミックを描く事はなかったが、そのユーモアのセンスからは当時米国の新聞の日曜版を賑わせたコミックの影響が色濃く見て取れる。
SHAG(シャグ)、ティム・ビスカップ、絵本作家レーン・スミス、ピクサーのアニメーターピート・ドクター等の数々の現代アーティストの作品にはフローラからの影響が色濃く見られる。また、彼の作品はパロディー化される事でも有名で、例えば、アルバム、This is Benny Goodman and His Orchestraは、バンドPearl JamやThe Lotharsなどにパロディー化されている。
アルバム・ジャケット以外にもコマーシャル・イラストレーターとして優れた才能を発揮した彼は、50年代から70年代にかけて、Fortune, LIFE, Newsweek, The New York Times Magazine, Mademoiselle, Sports Illustrated等多くの雑誌の表紙や記事をその作品で飾り、その時代の米国を象徴するスタイルを作り上げた。また、その審美眼を買われ、単なるイラストレーターとしてではなく雑誌のアート・ディレクターとしても活躍し、若きアンディ・ウォーホルなどの才能を発掘した。
他にも彼は絵本作家としても知られており、17冊以上の本を手がけた。多くの子供達に愛されたその絵本は昨年より毎年一冊のペースで米国のEnchanted Lion Booksより再版されている。
一方で、フローラはファイン・アーティストとしてもその類いまれな才能を開花させ、その溢れ出るインスピレーションを膨大な量の絵画、スケッチ、木版画作品に残している。いたずらっぽく毒舌的かつ洗練されたユーモアのセンスと、遊び心、不条理、そして狂乱を並列させ、独自のフローラ・ワールドを創りあげている。
近年では米国ファンタグラフィク社より彼の画集が3冊連続で出版されており、今後ますます再評価の高まりが期待される注目の作家だ。

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